山口仲美
やまぐち なかみ 山口 仲美 | |
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文化功労者顕彰に際して 公表された肖像写真 | |
生誕 |
1943年5月25日(81歳) 静岡県 |
居住 |
日本 中国 |
研究機関 |
聖徳学園女子短期大学 共立女子短期大学部 共立女子短期大学 明海大学 実践女子大学 埼玉大学 明治大学 |
出身校 |
お茶の水女子大学 文教育学部卒業 東京大学大学院 人文科学研究科 修士課程修了 |
主な業績 |
平安文学の文体の研究 語彙やオノマトペの研究 |
主な受賞歴 |
日本古典文学会賞 (1977年) 金田一京助博士記念賞 (1987年) 日本エッセイスト・クラブ賞 (2007年) |
プロジェクト:人物伝 |
山口 仲美(やまぐち なかみ、1943年5月25日 - )は、日本の言語学者(日本語学)。勲等は瑞宝中綬章。学位は文学博士(東洋大学・1988年)。埼玉大学名誉教授、文化功労者。
聖徳学園女子短期大学保育科講師、共立女子短期大学部文科講師、共立女子短期大学文科助教授、明海大学外国語学部教授、実践女子大学文学部教授、埼玉大学教養学部教授、明治大学国際日本学部教授などを歴任した。
概要
[編集]日本語学を専攻する言語学者であり、特に日本語史や擬声語研究に従事した。『源氏物語』や『蜻蛉日記』などの平安時代の文学の文体研究や、日本語の歴史における擬音語・擬態語(オノマトペ)の研究が専門[1]。近年は若者言葉の研究で知られている[1]。
来歴
[編集]生い立ち
[編集]静岡県出身[1]。1967年、お茶の水女子大学文教育学部卒業[2]。1969年、東京大学大学院人文科学研究科国語・国文学専攻修士課程修了[2]。
言語学者として
[編集]1969年、聖徳学園女子短期大学保育科専任講師[3]。1970年、共立女子短期大学部文科専任講師[3]。1974年、共立女子短期大学助教授[3]。1988年、「平安文学の文体の研究」で東洋大学より文学博士の学位を取得、明海大学外国語学部教授[3]。1991年、実践女子大学文学部教授。1997年、埼玉大学教養学部教授[3]。2008年、定年退任[3]、同大学名誉教授[1][4]、明治大学国際日本学部教授[2]。2014年、定年退任。
上記の傍ら、他の教育・研究機関の役職も兼任していた[3]。1979年4月から1983年3月まで清泉女子大学の文学部で講師を兼任した[3]。1982年4月から1983年3月まで、および、1990年4月から1991年3月までお茶の水女子大学の文教育学部で講師を兼任した[3]。1983年4月から1988年3月まで明治大学の政経学部で講師[3]、1989年4月から1990年3月まで商学部で講師[3]、1991年4月から1992年3月まで文学部で講師を兼任した[3]。1990年4月から1991年3月まで青山学院大学の文学部で講師を兼任した[3]。1997年4月から1998年3月まで実践女子大学の文学部で講師を兼任し[3]、大学院の講義を担当した[3]。1998年4月から同年9月まで九州大学の文学部で講師を兼任した[3]。1999年2月から同年7月まで北京日本学研究センターの教授を兼任し[3]、中華人民共和国に派遣される[3]。2003年4月から同年9月まで愛知県立大学の文学部で講師に就任した[3]。
NHKテレビ「生きている言葉」、NHK教育テレビ「古典への招待」「現代ジャーナル・日本語」などの講師も務めた[5]。
賞歴
[編集]- 日本古典文学会賞(第3回、1977年)(論文「源氏物語の比喩表現と作者」)[2]
- 金田一京助博士記念賞(第12回、1987年)[3]
- 日本エッセイスト・クラブ賞(第55回、2007年)[3](『日本語の歴史』に対して)
栄典
[編集]著書
[編集]単著
[編集]- 『平安文学の文体の研究』(明治書院、 1984年)
- 『生きていることば』(講談社、1987年)
- 『ちんちん千鳥の鳴く声は―日本人が聴いた鳥の声』(大修館書店、1989年) - のち講談社学術文庫
- 『恋のかけひき―源氏物語もうひとつの読み方』(主婦と生活社、1991年)
- 『平安朝元気印列伝 『今昔物語』の女たち』(丸善ライブラリー、1992年)
- 『源氏物語を楽しむ 恋のかけひき』(丸善ライブラリー、1997年)
- 『山口仲美の言葉の探検』(小学館、1997年)
- 『平安朝の言葉と文体』(風間書房、1998年)
- 『犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬音語・擬態語が面白い』(光文社新書、2002年)
- 『中国の蝉は何と鳴く? 言葉の先生、北京へゆく』(日経BP社、2004年)
- 『すらすら読める今昔物語集』(講談社、2004年)
- 『日本語の歴史』(岩波新書、2006年)
- 『若者言葉に耳をすませば』(講談社、2007年)
- 『新・にほんご紀行』(日経BP社、2008年)
- 『すらすら読める枕草子』(講談社、2008年)
- 『日本語の古典』(岩波新書、2011年)
- 『大学教授がガンになってわかったこと』(幻冬舎新書、2014年)
- 『NHK100分de名著 清少納言 枕草子』(NHK出版、2014年)
- 『擬音語・擬態語辞典』(講談社学術文庫、2015年)
- 『山口仲美著作集』全8巻(風間書房、2018年 - )
共編著
[編集]- 『命名の言語学―ネーミングの諸相』森岡健二共著(東海大学出版会、1985年)
- 『暮らしのことば擬音・擬態語辞典』(講談社、2003年11月)
- 『「擬音語・擬態語」使い分け帳 似ているようで微妙に違う!』佐藤有紀共著(山海堂、2006年11月)
- 『恋する百人一首』大久保佳代子・壇蜜共著(NHK出版、2015年)
監修
[編集]- 『よくわかる百人一首』(集英社、2002年、文:笠原秀、漫画:岩井渓)
メディア出演
[編集]テレビ
[編集]- 「生きていることば」、NHK総合
- 「世界一受けたい授業」、日本テレビ
- 「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。」、日本テレビ
- 「爆笑問題のニッポンの教養」、NHK
- 「みんなでニホンGO!」、NHK
- 「100分de名著 『枕草子』」、NHK、
- トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜(2004年7月21日、フジテレビ) - 「広辞苑で喉ちんこの隣にあるのは喉ちんぽ」というトリビアを解説。
- 趣味どきっ!「恋する百人一首」(2015年12月 - 2016年1月(全8回)、NHK Eテレ) - 案内役
脚注
[編集]- ^ a b c d “古典文学、オノマトペの研究など、山口仲美さんの著作集 全8巻が完結! 記念インタビュー|好書好日”. 好書好日. 2021年8月31日閲覧。
- ^ a b c d “山口仲美教授の紫綬褒章受章を記念して祝賀会が開催されました。”. 明治大学. 2021年8月31日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u “山口仲美 | 講師情報”. 講演会インフォ. 2021年8月31日閲覧。
- ^ a b “2016年秋の叙勲受章者 - 明治書院”. www.meijishoin.co.jp. 2021年10月28日閲覧。
- ^ “平安女性は強くて元気 山口 仲美 氏”. www.athome-academy.jp. 2021年8月31日閲覧。
- ^ “紫綬褒章の受章者”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年11月2日). オリジナルの2013年5月16日時点におけるアーカイブ。 2013年1月25日閲覧。
- ^ “長嶋茂雄さんら9人文化勲章 功労者に加山雄三さんら:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2021年10月28日閲覧。 アーカイブ 2021年10月26日 - ウェイバックマシン